老人ホームの良いイメージというと、思い浮かべるのが過去にテレビで放送されたドラマの、「やすらぎの郷」の風景でしょうか。
時代とともに、老人ホームは様変わりし、まるで、高級ホテルのようなホームも続々できています。
また、その種類も色々で、住まいとしてのものや、介護中心のもの、それも、細部にわたって希望の形態を選択できるようになりました。
老人ホームと言いますと、過去には多額の現金で入居しながら経営不振でつぶれてしまい、 お金が戻ってこない・・・などのトラブルがあり、信頼できる業者なのか、判断を強いられます。
とはいえ、需要は増えています。
老人ホームの需要
■子供との同居が難しい
■子供に頼らず、自由に生きてみたいが高齢で一人暮らしは不安
■健康に不安があるので、介護が行き届く施設に入居したい
様々な理由で、老人ホームや、介護施設のニーズは、確実に増えているのです。
このサイトでは、お気に入りの老人ホームを探す手段や、施設形態ごとのメリット、デメリットなどを比較していきます。
老人ホームや介護施設を選ぶ際の参考にしていただければと思います。
老人ホームや介護施設の、検索サイト情報
少子高齢化社会ということで、介護産業が盛んです。
元気に長生きしたいはやまやまなれど、高齢になりますと健康上の不安が出てくるのは必然。
健康上の不安が出ても暮らせるような形態をとる老人ホームが増えています。
でも実際、施設ごとの特長や料金などの最低の知識を持って、見学したり契約したりしたいもの。
今は、ネットの時代です。
知りたい情報は、比較的簡単に手に入ります。
でも、自分で片っ端から探すのは面倒だったり、高齢の両親にネットを進めるのは現実的ではありません。
そこで活躍するのが、全国の老人ホームや介護施設を検索・比較できるサイトです。
ご近所の老人ホームだけではなく、全国の老人ホームや介護施設を検索できるので、両親が遠方に住んでいてもチェックでき、便利です。
人気の比較サイトをご紹介します。
1.シニアの安心相談室(前ズバット有料老人ホーム比較)
安全、安心な老人ホーム探しをモットーに、全国で厳選した3,500施設(都道府県認定)を登録。
参加運営会社も、大手が多いのが特長です。
ベネッセスタイルケア、SOMPOケアネクスト、木下の介護、ツクイ、ニチイ、住友林業、ダイワライフサポート、パナソニック、介護の長谷川イリーゼ・・・等々
介護ニュースが随時更新され、記事の履歴でも確認できます。
また、資料請求の履歴も毎時更新されるため、どんなところに皆が興味を持っているのかのトレンドがわかって参考になります。
サイトの作りが分かりやすく、見やすい印象で、悩み別に簡単に検索できます。
例えば、
■退院要請などで、入居を急ぐ方
■調べたい施設が決まっていて、空き部屋を探したり、見学予約をしたい方
■自分で直接検索したい、または、条件に合う施設を探してもらいたい方
一度、ご覧になってはいかがですか?
2.LIFULL介護(ライフル介護)
月間サイト利用者数が業界最大級の300万人以上(2021年1月時点)というビッグサイトです。
多くの方にとって初めてとなる老人ホーム探しの助けになるようなサイト構成になっています。
たとえば、一部の事業者ではありますが、取材レポートを掲載しています。
機能面の情報に限らず、施設やスタッフの雰囲気が分かり、参考になると思います。
「マイページ機能」を搭載し、入居までの「やること」をリスト形式で順にガイドしてくれるのも、老人ホーム探しが初めての方には安心と思います。
老人ホームや介護施設の種類の基本知識
一口に老人ホームといっても、住宅としての位置づけのものや、介護を受けられるものなど、様々な種類があります。
こんなはずではなかったと悔やまないように、それぞれの特性を理解してから探しましょう
また、将来を見据えて選ぶことは大切ですが、今が元気な場合は大事を取りすぎると今の生活レベルとかけ離れ、味気ないものになったりもします。
入居者の健康状態や予算も考えて、希望の種類を見つけましょう。
老人ホームには、公的なものと、民間のものがあります。
それぞれの特徴を簡単に上げてみます。
公的老人ホーム
1.介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
市町村による、入所措置の対象施設で、特養と呼ばれます。
原則として要介護3~5の認定を受けた人が入居できます。
費用負担額がほかの施設に比べて安いことから人気があり、待機者が多く、なかなか順番が回ってこないのが現状です。
待機者が多いことから入所には判定の基準があり、その基準に沿って点数の高い人から優先的に入所できる仕組みなので、
必ずしも、申し込み順でないため、複数の施設に同時申し込みをしている人も少なくありません。
2.介護老人保健施設
自宅で生活できる状態に回復することを目的とし、日常生活の介護を始めとした介護保険が適用されるサービスが受けられる施設です。
リハビリなどが中心となるため、特養よりもリハビリスタッフや医療スタッフなどが多い反面、入所には期限があります。
3か月ごとに退所か入所継続かの判定があるので、厳密には老人ホームとは言えない部分もあります。
そういった事情から、特養までの待機場所として利用する人もいるのが現状です。
3.ケアハウス(軽費老人ホーム)
以下、一般社団法人全国軽費老人ホーム協議会からの引用です。
軽費A型(制度化:昭和38年)
家庭環境や住宅事情、経済状況などの理由から居宅において生活することが困難で、生活障害に応じた生活支援サービスや介護サービスを利用すれば自立した生活が維持できる低所得者向けの施設です。
軽費B型(制度化:昭和46年)
A型から食事サービスを抜き、介護職員も配置されていない。より住居の比重が大きい施設。これは昭和46年当時の住宅政策の1つとして位置づけされています。
ケアハウス(制度化:平成元年)
A型やB型のような所得や家庭環境よりもむしろ住宅面に重点をおき、「安心して生活を営める住まい」として食事その他日常生活上必要な便宜を提供する施設です。
介護職員はA型よりも少なく、必要な介護は外部サービスを利用します。バリアフリーで車いすでの生活や介護サービスが受けやすいです。
介護保険法と軽費老人ホーム
軽費老人ホーム(A型・B型・ケアハウス)は介護保険上は「居宅」となります。
住んでいる家として扱われるので、介護サービスを受けるときは外部の介護保険サービスを利用することとなります。
また、軽費老人ホーム(A型・B型・ケアハウス)には、都道府県から「特定施設入居者生活介護(※)」の指定を受け、特別養護老人ホーム並みの介護サービスを提供する施設もあります。
これによって、軽費老人ホームはある程度自立した健康な高齢者が入居する施設ではありますが、将来介護が必要になっても介護保険サービスを利用することで住み続けることができる「利用者の実情に即した多様な住まい」の確保となり得ました。
※自治体によっては特定施設の総量規制を行っており指定を受けられない地域が存在しています。
ケアハウスの存在意義の高まり
介護保険制度によって、利用者が自ら施設を選択するようになると「利用者の実情に即した多様な住まいの確保」が求められ、ケアハウスの存在意義が社会的にも極めて高くなりました。
というのも、高齢者の住宅として、公営・民営それぞれ多様な住宅サービスがありますが、もともと軽費老人ホーム(A型・B型・ケアハウス)はこれまでも様々な生活課題を抱えた高齢者に対して、「居住支援(住まい)」と「生活支援」を中心にサービス提供を行ってきました。
今後、これらに加えて地域包括ケアシステム時代における役割として、精神的・社会的・経済的な面等で生活に課題を抱え、社会的にも孤立しがちな高齢者や地域の住民をも視野に入れたより専門性の高いソーシャルワークに基づく支援が求められています。
軽費老人ホームからケアハウスへ
これまでの軽費老人ホームにはA型、B型及びケアハウスが存在し制度そのものが複雑化していましたが、このようなケアハウスの存在意義の高さに鑑み、今後A型、B型を改築する際、または軽費老人ホームを新築する際にはケアハウスに統一することになりました。
ですので、これからはケアハウスという形態が一般化していきます。
軽費老人ホーム(ケアハウス)にかかる費用
ケアハウスの場合、別に居住に要する費用(管理費)として、数千円~3万円程度(月額)必要となる場合もあります。
各自治体でも異なりますので、詳しい費用は最寄りのケアハウスに聞く、または先に挙げた老人ホームや介護施設を検索・比較できるサイトで調べてみると良いと思います。
一般的な概算は以下になります。
軽費A型 | 6~17万円程度(食事代込み、利用者の収入よって異なる) |
---|---|
軽費B型 | 3~4万円程度(食事代を含む生活費はすべて実費) |
ケアハウス | 6~17万円程度(食事代込み、利用者の収入によって異なる) |
4.介護療養型医療施設(2018年3月末廃止)
民間老人ホーム
介護付き有料老人ホーム
介護付き有料老人ホームは、高齢者の方々が快適に暮らすための施設です。
- 入居者の対象: 高齢者や介護が必要な方々が利用します。日常生活のサポートや医療的なケアを受けることができます。
- 施設の特徴:
- 住環境: 居室は個室や2人部屋があり、共用スペースも充実しています。
- 介護サービス: 介護士や看護師が24時間体制でサポートを提供します。食事、入浴、排せつなどの日常的なケアを行います。
- レクリエーション: 趣味や健康促進のための活動やイベントが行われます。
- 費用:
- 入居一時金: 施設によって異なりますが、一般的には入居時に支払う金額です。
- 月額利用料: 居室のタイプやサービス内容によって変動します。
- 利用条件:
- 介護度に応じて利用が認められます。介護保険の認定を受けている方が対象です。
これらの施設は、高齢者の方々に安心して暮らしていただける場所として重要な役割を果たしています。
住宅型有料老人ホーム
住宅型有料老人ホームは、自立(介護認定なし)状態の方から要支援・要介護の方まで、様々な状態の高齢者を幅広く受け入れている施設です。
以下に、住宅型有料老人ホームの特徴や入居条件、費用、提供されるサービス、メリット・デメリットなどを詳しく解説します。
住宅型有料老人ホームの特徴
- 入居者の対象: 自立した高齢者から要支援・要介護の方まで幅広く受け入れています。
- 生活サービス: 生活援助や緊急時の対応、レクリエーションなどのサービスが提供されます。
- 介護サービス: 介護が必要な場合は、訪問介護や通所介護などの外部サービスを利用しながら生活できます。
- 料金: 介護度に応じて料金が変動します。介護が少ない場合は安く、介護が多い場合は高くなる傾向があります。
入居条件
- 年齢: 基本的に60歳以上が対象です。
- 介護レベル: 自立から軽度の要介護までを受け入れています。
- 認知症: 対応可の施設が多いです。
- 共同生活: 必須ではありません。
- 収入・資産: 支払可能かチェックされます。
人員体制(人員基準)
- 施設長1名の配置が定められており、介護職員や看護師、機能訓練指導員などは必要数に応じて配置されます。
- 外部の訪問介護サービスと契約するため、近隣の介護スタッフが訪問します。
サ高住、介護付き有料老人ホームとの違い
住宅型有料老人ホーム | サ高住(サービス付き高齢者向け住宅) | 介護付き有料老人ホーム | |
---|---|---|---|
対象者 | 自立から要介護まで | 自立から要介護まで(中度くらいまで) | 自立から要介護まで(重度可) |
提供サービス | 生活支援、健康管理、食事の用意など | 生活支援、見守りなど | 生活支援、健康管理、食事の用意、見守りなど |
入居費 | 0〜数百万円 | 0〜数十万円 | 0〜数百万円 |
月額利用料 | 10〜30万円 | 10〜30万円 | 10〜30万円 |
介護スタッフの常駐 | × | ×(※) | 〇 |
※一部サービス付き高齢者向け住宅は介護スタッフが常駐しています。
このように、住宅型有料老人ホームは、自立から要介護までの高齢者に快適な生活環境を提供しています。
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
サービス付き高齢者向け住宅(略してサ高住)は、バリアフリーが完備された高齢者の住まいです。
入居すると、安否確認や生活相談のサービスが受けられるため、入居者が安心して暮らせる環境が整っています。
サ高住は、必要になったら外部のサービスを受けることも可能ですので、「今のところ介護は必要ないが、将来の備えとして利用したい」という方におすすめです。
また、生活の自由度が高いのもサ高住の特徴です。
サ高住は、一般型と介護型の2つに分けられます。
介護型は介護ケアを要する方を対象とし、施設内で介護サービスを受けられます。
一方、一般型は自立した方の入居を想定しており、外部の介護サービスを利用します。
特定施設入居者生活介護とは、入居者のために提供される日常生活上の支援や機能訓練のような特定施設のサービスを指します。
サ高住は安否確認や生活相談サービスを受けられますが、有料老人ホームではありません。
サ高住の入居条件は、年齢60歳以上の高齢者もしくは年齢60歳未満で要介護認定を受けている方が基本です。
夫婦での入居も可能であり、同居人の条件を満たすことで夫婦以外でも2人での入居ができます。
サ高住は、高齢者が必要な支援を受けながら、ご本人らしい暮らしを実現できる「住まい」とされています。
グループホーム(認知症対応型共同生活介護)
グループホームは、認知症のある高齢者がスタッフの介助を受けながら共同生活をおくる施設で、地域密着型サービスです。
認知症の進行を緩やかにするために専門スタッフの支援が充実しており、プライバシーや個室もあります。
以下は、グループホームに関する詳細情報です。
- 定義: グループホームは、認知症の方が共同生活をおくるための施設で、「認知症対応型共同生活介護施設」とも呼ばれています。専門スタッフの支援を受けながら、自立した生活を目指します。
- 入居条件:
- 65歳以上の方
- 要支援2以上の認定を受けた方
- 医師に認知症の診断を受けた方
- 集団生活を営むことに支障のない方
- 施設と同一の市区町村に住民票がある方
- 入居費用:
- 入居一時金: 0~16万円
- 月額利用料: 8.3~13.8万円
- 共同生活の流れ:
- ユニットと呼ばれる複数の居室と台所、食堂などで構成された生活空間で共同生活を送る。
- 入居者同士で家事を行い、自立した生活を目指す。
- 環境の変化が少ないため、認知症の方にも適している。
グループホームは、認知症の高齢者が安心して暮らせる場所として、地域社会で重要な役割を果たしています。
地域密着型ですから、これまで過ごした地域の知友人や家族の訪問も無理なく行えるのが良いかと思います。
シニア向けマンション
シニア向け分譲マンションは、高齢者が暮らしやすいように設計されたバリアフリー完備の分譲マンションのことです。
これらのマンションは、高齢者向けの施設やサービスを提供しており、自立した生活を送ることができる環境を提供しています。
以下に、シニア向け分譲マンションの特徴やメリット、デメリットについて記述します。
- 特徴:
- 入居条件: 基本的には自立した生活が送れる高齢者が対象です。要支援1〜2や要介護1〜5の方も住むことは可能ですが、介護サービスは提供されないため、必要であれば外部業者に委託する必要があります。
- 設備とサービス:
- 娯楽設備(温泉、プール、カラオケルーム、レストラン、図書室など)が充実しています。
- 居室内はバリアフリー化設計で、一般的に35〜100㎡の広さです。
- 物件価格と管理費:
- 物件価格は数千万円から数億円まで幅広く、月額利用料は約10万円から30万円程度です。
- メリット:
- 資産の所有: 分譲マンションと同様に、購入すると「所有権」を得て資産になります。売却や相続、賃貸などが可能です。
- 生活の自由度: キッチンや浴室が独立して備わっており、外出や外泊など自由に過ごせます。
- 充実したサービスと娯楽設備: レストラン、プール、図書室などがあり、入居者同士が楽しく交流できます。
- デメリット:
- 高額な費用: 購入費用や月額費用がかかります。固定資産税も支払う必要があります。
- 介護度による制約: 介護サービスを受ける場合には外部事業者との契約が必要です。
- 物件数の限定: シニア向け分譲マンションの物件数はまだ少ないですが、増加傾向にあります。
シニア向け分譲マンションは、高齢者の方々に快適で安心な住環境を提供する選択肢として検討されています。