介護施設の種類はいろいろなものがあるのですが、その中で地域密着型サービスを認定された施設があります。
地域密着型サービスとは
地域密着型サービスは、介護保険制度において、利用対象者をその地域に住んでいる高齢者に限定して提供されるサービスです。
このサービスは、高齢者が介護が必要になっても住み慣れた地域で最後まで自分らしく暮らせるように、2006年の介護保険法改正で誕生しました。
地域密着型サービスの対象者
地域密着型サービスの対象者は、事業所所在地の住民票を持っている方(同じ市区町村に住んでいる方)のみで、他の市区町村に住んでいる方は利用できません。
例えば、A市に住んでいる人が地域密着型のグループホームへの入居を検討する場合、入居できるのは同じA市内の施設のみで、B市やC市にある地域密着型施設に入居することはできません。
また、住民票を移したとしても、通常3カ月〜1年程度はその市区町村に住んでいる必要があります。
隣接する市区町村同士が協定を結び、利用を認めているケースもありますが、対象者や対象サービスに細かな条件があるため、事前に確認が必要です。
このような点がデメリットにもなりうるといえるでしょう。
良い施設だなぁと思っていても、事業所所在地に住んでいなければ利用できないからです。
住所地特例として、入居先(B市)の地域密着型サービスの一部を利用できるケースもあります。
その場合には住所地特例者は、入居先に住民票を異動させる必要があります。
老人ホームに入居した場合は、住民票異動の手続きも忘れずに行いましょう。
地域密着型サービス例
2024年現在、次のようなサービスが提供されています。
- 認知症対応型通所介護: 認知症の診断を受けている要支援1〜2または要介護1〜5の方を対象にした通所介護サービス。
- 地域密着型通所介護: 要介護1〜5の方を対象にした通所介護サービスで、利用定員が18名以下の小規模な事業所。
- 療養通所介護: 重度要介護者や末期がん患者を受け入れる施設で、看護師を手厚く配置して医療と介護の両方のニーズに対応。
- 定期巡回・随時対応型訪問介護看護: 要介護1〜5の方に24時間対応の訪問介護・訪問看護を提供するサービス。
- 民間の老人ホーム(介護付き有料老人ホームetc.)で、地域密着型認可を受けたもの
地域密着型施設に入居するメリット
入居メリットはいくつかあります。
- 地域とのつながり:
- 地域密着型施設は、住み慣れた地域にあるため、近隣の人々との交流がしやすくなります。地域のイベントや活動に参加したり、地域の文化や伝統を体験したりできます。
- 身近なサポート:
- 地域密着型施設は、地域の特性に合わせて運営されています。そのため、利用者に合ったサポートが提供されやすく、スタッフとのコミュニケーションも円滑です。
- 住み慣れた環境:
- 自宅近くの施設に入居することで、住み慣れた環境で暮らすことができます。これにより、ストレスを軽減し、心地よい生活を送ることができます。
- 地域資源の活用:
- 地域密着型施設は、地域の資源を活用したプログラムやサービスを提供しています。公園や図書館、地域センターなどを利用できることで、充実した日常を過ごせます。
- 家族との近さ:
- 地域密着型施設は、自宅から近いため、家族や友人との交流が続けやすくなります。訪問しやすいことで、孫や親せきとの触れ合いも増えます。
経験を申しますと、月に1度開かれる家族や施設職員などとの連絡会には、地区の民生委員や自治会長なども参加をして、意見交換が行われました。
施設の状況を知ってもらったり、行事などへの参加を検討したり、地区ならではの取り組みと感じました。
地域密着型施設は、高齢者の方々にとって、地域社会とのつながりを大切にしながら、快適な生活を送るための選択肢となっています。
入居を検討する際は、広域タイプなのか地域密着型なのかもチェックするといいですね。